8-6. 遺伝子工学で使われるタンパク質分解酵素
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遺伝子工学で汎用されるタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)
大量のタンパク質を含む試料からDNAやRNAを抽出する場合、夾雑タンパク質を除くには、プロテアーゼK(プロテイナーゼKともいう→天然タンパク質を効果的に分解する)処理を行う
他方、遺伝子工学で作成したタグ付きタンパク質からタグ部分を切り取るためには、タグと本体ペプチドの連結部分にあらかじめ特異的ペプチドを挿入しておき、その配列に特異的なプロテアーゼを作用させる
このような目的に使われる酵素に、血液凝固にかかわる第10因子やトロンビン、エンテロキナーゼなどがある
エンテロキナーゼはFLAGタグのC末端を切断できる
table: 表8-1 タグ切断用酵素
プロテアーゼ 認識配列(↓で切断する)
トロンビン Leu Val Pro Arg ↓ Gly Ser
エンテロキナーゼ Asp Asp Asp Asp Lys ↓
第10因子 lle Glu Gly Arg ↓
3Cプロテアーゼ Leu Glu Val Leu Phe Gln ↓ Gly Pro
TEVプロテアーゼ Glu Asn Leu Tyr Phe Gln ↓ Gly
memo: プロテアーゼ阻害剤
細胞からタンパク質を調製する場合は、タンパク質が分解されないように、タンパク質分解酵素を阻害するプロテアーゼ阻害剤(e.g. PMSF、アプロチニン、ペプスタチン、EDTA)が加えられる